Blowin' In The Wind
今朝寝床の中で急に I don't believe you なんて言葉を思い出し

私の不確かな記憶ではディランがステージで聴衆に投げつけた言葉?
それともナニかの歌詞だったか?

私の若い頃、ディランにはあまり良い印象がなくて

その原因のひとつは最初に名前を知ったのが
P.P.M. の Blowin' In The Wind風に吹かれて)のカバーだったかもしれず

しかしこの「風に吹かれて」という邦題自体が
どこか諸行無常なイメージを抱かせた原因ではないかと
またしかし
この邦題は誤訳に近いのではないか?
という疑問が頭に浮んできて

というのも邦題「風に吹かれて」では
blowin' しているのは
The Answer(答え)はそれに吹き飛ばされている
といった構図だが

どこにもそんな歌詞はない

そうではなく各節の最後に繰り返される歌詞

The answer is blowin' in the wind.

では明らかに
blowin' しているのは The answer答え)で
それが 風の中 でなのだ

つまり直訳すると
その答えは風の中で鳴っている

邦題の命名者は(the wind)を吹く(blow)と簡単に結び付けて
曲のテーマの主語を答え(the answer)と入れ替えちまったのではないのか?

しかしこれでは意味が全然違ってしまう

つまり答え(the answer)はどこかに吹き飛ばされているワケではなく
風の中(in the wind)でなお blowin' しているのだ
(上記の訳ではblow鳴るとしたが、あるいは叫ぶもありかもしれない)

とすれば
この「」が微風なワケはなく
答えは風の中で鳴ってはいるんだけど、あんたにゃ聴こえないだろ
または
あんたは風のせいにして聴こえないフリをしているが、答えはそこにあるじゃないか
なんて意訳もありなような気がしだした。

そこでいつもの様にネットで歌詞を調べて
わたしなりの下手訳(かなり意訳)をしてみた。


How many roads must a man walk down,
before you call him a man ?

How many seas must a white dove sail,
before she sleeps in the sand ?

Yes, how many times must the cannon balls fly
Before they're forever banned ?

The answer my friend is blowin' in the wind
The answer is blowin' in the wind
.

男が「男」と呼ばれるには
どれだけの道を歩き続けなきゃいけないんだい?

白い鳩が眠れる浜辺にたどり着くには
どれだけの海を渡らなきゃいけないんだい?

そうさ、全て撃ち尽くすには
あと何発の砲弾が飛んでくるんだい?

例えば戦場での兵士を想像してみよう。

彼が「男」と呼ばれるには戦場から無事に帰還して
故郷で勲章を得る事かもしれないが
その為にどれだけ重い銃器を担いで歩かなきゃいけないのか

また空を見上げれば白い鳩
しかしこんな場所じゃ「平和のシンボル」もオチオチ飛んではいられない
なにしろ砲弾が空を埋め尽くしている

アイツの落ち着く先はあるんだろうか?
いやあるいは兵士自身の家に帰るには
一体どれだけの砲弾の下をくぐりぬけなきゃいけないのか?


Yes, how many years can a mountain exist
Before it's washed to the sea ?

Yes, how many years can some people exist
Before they're allowed to be free ?

Yes, how many times can a man turn his head
Pretending he just doesn't see ?

The answer my friend is blowin' in the wind
The answer is blowin' in the wind.

そうさ、山が海に洗われて砂となるには
あと何年の月日が必要なんだい?

そうさ、何人かが生き残って自由になる事を許されるには
あと何年経てばいいんだい?

そうさ、ヤツは何度見ていないと偽って
首をふり続けるつもりなんだい?

国家が戦争を起こす時、大抵は崇高なスローガンを掲げたがる
例えば「自由の為の戦争」などと

しかしその為には何人もの現実の「死」があり、何度もの「殺人」が起こされる。

こんな明白な「事実」を
しかし皆んなずっと知らん振りをしている

そうまさに
解決の答えはちゃんと聴こえているのに
風がそれをさらっていってしまうのだ

風?

それは実際の風ではなく
理念とか利害とかに縛られた連中のプロパガンダの事にも思えてきて・・・


Yes, how many times must a man look up
Before he can see the sky ?

Yes, how many ears must one man have
Before he can hear people cry ?

Yes, how many deaths will it take till he knows
That too many people have died ?

The answer my friend is blowin' in the wind
The answer is blowin' in the wind
.

男が空を見る為には
何度見上げなきゃいけないんだい?

泣き叫ぶ人たちの声が聴こえるには
アイツに何個の耳が必要なんだい?

アイツが余りに多くの人達が死んだって事に気付くのに
あと何人死んでいけばいいんだい?

眼があっても見ない
耳があっても聴かない
心があっても気付こうとしない

この節の文節の主語はすべて a man のようだ
しかしこれを政治家と早とちりするのは稚拙だ
それは私かもしれず、あなたかもしれない

急にこんな替え歌を考えてしまった

ねえ原発が何度事故れば他の方法を考えるつもりだい?

答えは聴こえてるでしょ?
それとも風の吹き出すのを待っているのかな?
聴こえないフリをするために・・・


seven 2010 May 5